ゆく年くる年、ふりかえり。

今年は働いている本屋のリニューアルやリニューアルやリニューアルで本当にいろいろあり、本ッッ当ォーーーにいろいろあり、あまり本が読める気持ちの余裕がない一年でした。

くそ~、来年は楽しい年にするぞ!本もいっぱい読むんだ~!

それでもいくつかブッ刺さる本に巡り逢えましたので、そっとご紹介します。そっとね。


まずは一冊目。

『年月日』(閻連科著/谷川毅訳/白水社)

千年に一度の大日照りの年。干ばつで村人は全員逃げて行った。

そんな中、たった一本のトウモロコシの苗を守るため“先じい”と盲目の犬“メナシ”は村に残り、食糧や水を守るためネズミや狼と戦うのだが……。

先じい、気持ちの生命力がスゴすぎる。見習いたいけど絶対ムリ!

あと、自分が“動物ががんばる”系の話にめっぽう弱いことを思い知らされた本です(笑)

イベントで深緑野分サンに『炸裂志』(泉京鹿訳/河出書房新社)が最高!と教えてもらったものの、どうしても分厚い本に挑む前に薄い本から入りたい読書チキンなのでコチラで閻連科デビュー(笑)

閻連科さん、ノーベル文学賞の次期候補といわれているそうで、注目です。


『深い穴に落ちてしまった』(イバン・レピラ著/白川貴子訳/東京創元社)

深さ7メートルの穴に落ちてしまった兄弟の話。

極限状態に陥った兄弟はどうなるのか。

隠されてる暗号や素数の云々の意味についてはツルッとまったくわからなかったけど、それを抜きにしても面白かった。

この兄弟、乙一SEVEN ROOMS(集英社文庫 ZOOの1巻に収録されています)の姉弟を思い出してしまったなー。

そちらも是非。


そして去年から今年にかけて最高だ~!と思った本がアイアマンガー三部作『堆塵館』『穢れの町』『肺都』(エドワード・ケアリー著/古屋美登里訳/東京創元社)

ゴミから財を築いたアイアマンガー一族。

そのアイアマンガー一族が住んでいるゴミ屋敷“堆塵館”、孤児のルーシー・ペナントは召使として働くことになる。

そこで“物の声”を聞くことのできる少年クロッド・アイアマンガーと出会い、運命が動き出す!

もう文句ナシで面白い。

運命が動き出す、なんてカンタンなもんじゃないんです!

盛大にすべての運命が動いちゃってるんです!

本にたくさん入っている登場人物の絵は著者が自ら描いています。最高。

むかし、ソニーマガジンズから出ていたクライヴ・バーカー『アバラット』(現在は絶版。図書館に行くのだ!)も奇妙な登場人物の絵が満載で大好きだったのでドツボ!

コレが海外ではYA(ヤングアダルト)に分類されてるなんて信じられないなぁ、ティム・バートンあたりが映画化してくれないかしら!とマジで思います。

この本を特集した“にゃわら版”がありますので気になったらご覧ください、NO.23です。

この本を翻訳してくださった古屋さん、本当におつかれさまでした!

古屋さんの訳す本は毎回重量級なので、見るたびに目が飛び出ます。


その他にも……

『屍人荘の殺人』今村昌弘著/東京創元社

『こちらあみ子』今村夏子/ちくま文庫

『肩胛骨は翼のなごり』デイヴィッド・アーモンド著/山田順子訳/創元推理文庫

『丘の屋敷』シャーリイ・ジャクスン著/渡辺庸子訳/創元推理文庫

『ぼくが死んだ日』キャンデス・フレミング著/三辺律子訳/創元推理文庫

(東京創元社の回し者ではありませんw)

小説だとこんなもんでしょうか。

書き出してみると少ないながらも意外と良い本を読めていたと思います。


さて、冬休みにちびちび読んでいるのはこの5冊。

今、諸事情あってものすごく金欠なので図書館で借りてきたけど、結局全部買っちゃうと思う(笑)

それでは今年はこのへんで!

また来年(明日!)


【でんすけのかいぬし】

本屋でんすけ にゃわら版

本屋さんのイラスト多めのフリーペーパー『にゃわら版』 切って厚紙に貼れば店頭POPにもなります( ・ω・ ) 『ウチにも置きたい!』という店舗様はご自由にどうぞ。 文芸カドカワにて連載中。 はじめての海外文学フェア https://hajimetenokaigaibungaku.jimdo.com/ の団長です。

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